2023年の『Sustainabale Development Report 2023』では、日本のSDGsランキングは21位でした。2018,2019年には15位だったことを考えるとだいぶランキングが下がってしまっているのですがレポートのダッシュボードを見る限り活動の多くは上昇傾向にあります。つまり日本も頑張っているがそれ以上に他国が頑張っているということが読み取れます。
引用:『Sustainabale Development Report 2023「日本のパフォーマンスサマリー」』
日本では中小企業診断協会を中心として中小企業診断士がSDGs推進活動をしている地域も少なくありません。僕もそういった類のSDGsプロジェクトに去年から参加しているので、単なる名目上だけではなく本当に皆が住みやすい環境を皆で作り上げていこうという熱意を持って取り組んでいる方々を沢山見ています。
今回は、SDGs何かしたいけど良いアイディアが思い浮かばないといった企業向けに、どんな企業でも今すぐ取り入れられそうなSDGs活動の他社事例を紹介したいと思います。SDGsは決して難しくて独自性を求められるものではありません。むしろ持続的に実施するために簡単で誰にでも出来ることが重要なので、「こんなことで良いんだ!ウチでも出来そう」と思ってもらい実際に行動に移して貰えたらベター、社員一同で持続的に取り組んで頂けたらベストです。
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目次
ECOSIAの検索画面
ECOSIAはドイツ発の検索エンジンです。ECOSIAはGoogleやYahooと同じように広告収入型のビジネスモデルですが、その収益を地球の未来を守るために使っています。具体的には利益の約80%を世界中の植樹プロジェクトに使っています。つまり、ECOSIAで検索するだけで世界中の植樹に貢献することになるのです。だいたい50回の検索で1本の植林に繋がると言われています。
また、ECOSIAでは検索に使用されるエネルギーの2倍量を生み出すことができる太陽光のシステムを導入しており、検索に使用されるエネルギーを全て太陽光システムで賄っているとのことです。
Google ChromeやMicrosoft Edgeの拡張プラグインとしてインストールするだけで使用できます。画面右上の木のアイコン箇所では、自分たちの検索によってどれくらい植林されたかが分かるようになっています。
拡張プラグインを入れて普段と同じように検索するだけで植林に貢献できるこのシステム。何の意識もせずストレスフリーに利用できるのは多くの企業にとって始めやすく持続可能な取り組みと言えるのではないでしょうか。
古典的で地味に思われるかもしれませんが、会社周辺の道路などを清掃したり地域清掃イベントに参加することは立派なSDGsの取り組みです。これは「SDGs目標11. 住み続けられるまちづくりを」にも繋がりますし、ちょっと検索してみると多くの企業が実践していることが分かります。
ある企業では「ウォーキング清掃」と銘打って、町を綺麗にするだけではなく社員の運動不足解消にも役立てるようなイベントを企画・実施しています。
SDGsという呼称が出るまえ、CSRとして長い間地域清掃に取り組んでいる企業(小売店)から聞いた話ですが、ずっと続けることで地域住民にお店のことを知って貰える機会が増え、実際に売上アップにも繋がったそうです。toBであったとしても、地域住民の方々と共生することは企業にとって大事なことですしブランドイメージ向上にも繋がります。まだ取り組んでいない企業はイベント行事化してみてはいかがでしょうか。
全国の自治体で実施されているかは分からないのですが僕の地域では中学生になると職業体験の機会があり、実際に企業を訪問してお仕事を体験させて頂く機会がありました。こういった学校行事の受け入れに手を挙げることは企業ブランディングに繋がるだけではなく「SDGs目標4. 質の高い教育を みんなに」への貢献にもなります。
僕も実際に自分の勤め先で職場体験の誘致から企画・実行を担当したことがありますが、学生と交流して僕自身も学べることが多くありましたし、職場内も活気が出ました。
学校行事でなくても、製造業であれば工場内見学ツアーの企画・開催も良い取り組みです。
エコな製品を使用したり、あるいは障碍者や高齢者など労働的に弱い立場にいる方々を積極的に雇用している企業の製品・サービスを利用することも立派なSDGsの取り込みです。こういった企業から製品・サービスを購入する風土が出来上がってくれば単純な価格競争も起きにくくなります。めぐりめぐって皆さんの会社にとっても単純な高機能・低価格勝負を避けることができビジネスチャンスが拡がることになりえます。
何か会社で購入・契約する際にはこういった視点で業者を選定してみてはいかがでしょうか。
ゴミを出さないことも立派なSDGs活動です。たとえばマイバッグ、マイボトル、マイ箸の持参を推奨したり、使い捨てをやめて長く利用するなどが挙げられます。ゴミが出てしまう場合でも、しっかりと分別してリユース・リデュース・リサイクルをしましょう。
SDGsは一過性の活動ではなく、持続的に実施し、アクションを公表することが大切です。日本人は黙ってやることを美徳と考えますが、SDGsでは自分はこれだけやっていると声をあげて宣言しましょう。そうすることで社内での自覚がより強く芽生え、他の企業や自治体からも評価され、一緒に仕事をしようと声がかかる場合も少なくありません。企業が持続的な取り組みをするためには、利益を確保することも重要です。ですから、良い事をして、それが評価されて利益につながる仕組みを作っていきましょう。