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健康経営 優良法人の事例に見る働きやすい職場とは

健康経営優良法人に見る働きやすい職場とは

皆さんは「健康経営」という言葉を聞いたことがありますか?

経済産業省が現在推進している取り組みの1つで、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践することです。健康管理と言うと、年一回の健康診断やラジオ体操がまっさきに思い浮かぶかと思いますが健康経営で優良法人認定されている企業の取り組みは参考になるものが多くあります。

今回は健康経営優良法人のなかで僕が特に気になった取り組みにスポットを当てて良い労働環境とはどのようなものかについて考えていきたいと思います。

関連記事:『組織を活性化させるためのウェルビーイング5つの要素

健康経営の目的

みなさんもご存じの通り、日本は少子高齢化が続いており医療の発展によって超高齢化は加速すると考えられます。平均寿命が約50歳から約80歳に伸び、「人生100年時代」もすぐそこまで来ています。少子化によって労働人口が減少していることから、健康な高齢者が「生涯現役」として働くことが重要になってきています。

若い労働人口を確保するのが難しい世の中になることを踏まえて、従業員等の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資であるとの考えのもとで健康管理を経営的視点から考え戦略的に実践することが必要です。これを健康経営と言います。

「健康」とはWHOの定義に基づくと、「肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあること」を言います。これは、「ウェルビーイング(Well-Being)」と言い換えることもできます

健康経営に取り組むメリットの一例として、以下が挙げられます。

  • 労働生産性の向上
  • 企業イメージの向上
  • 離職リスクの低減
  • 保険医療費の低減

これらのメリットは皆さんもイメージしやすいものかと思います。

心身および社会的に健康な従業員が沢山いれば、無気力で病弱な従業員ばかりよりも士気は高く労働生産性が向上するでしょう。

従業員は会社への愚痴を言うことも少なくなるでしょうから口コミでネガティブな印象が広まる心配もなく労働環境がしっかりしていることで企業イメージの向上につながります。

また、従業員は不満がないから離職率が減り人材採用・教育コストを減らすことができます。当然肉体的・精神的にも健康な従業員ばかりですから保険医療費の負担も減ります。

さらに、健康経営に取り組み健康経営優良法人に認定されることで更なるメリットを得ることも出来ます。

健康経営優良法人とは

経済産業省「健康経営の推進について」
引用:『経済産業省「健康経営の推進について」

健康経営優良法人認定制度とは、地域の健康課題に即した取組や日本健康会議が進める健康増進の取組をもとに、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を顕彰する制度です。

「健康経営優良法人」に認定されると、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的な評価を受けられます。また、「健康経営優良法人」ロゴマークの使用が可能となります。

健康経営優良法人や健康経営に取り組む企業向けに、自治体や金融機関等においてさまざまなインセンティブがあります。インセンティブの一覧は以下のホームページをご参照ください。

引用:『東京商工会議所「健康経営インセンティブ・認定・登録・顕彰制度(全国)」

ここからは健康経営優良法人に選ばれた中小企業をいくつか紹介したいと思います。

健康経営優良法人の事例1 働きながらがんの長期治療ができる職場づくり

株式会社シニアライフアシスト
引用:『株式会社シニアライフアシスト

香川県高松市の株式会社シニアライフアシストでは、がんに罹患した社員がいたが、長期の治療と仕事を両立できる社内制度を設けました。

両立支援コーディネーターを配置し、長期通院に利用できる有給の治療休暇制度を整備するというもので、がん治療を継続している社員が2021年度に「治療休暇制度」を利用して受診しました。

両立支援コーディネーターが、当該社員の主治医から「治療の状況や就業継続の可否についての意見書」をもらい、治療と仕事を両立していく上で働きやすい環境を整えることができたとしています。

この取り組みが評価され、健康宣言をした企業の中から選出され香川県知事賞を受賞しました。

ガンは誰もが抱えているリスクの1つです。万が一のときに、会社が助けてくれるというのは働く人にとってとても心強いですね。

健康経営優良法人の事例2 独自の「健康チャレンジ」を設定

引用『マツオカ建機 株式会社

三重県のマツオカ建機株式会社は、健康経営推進のための独自の「健康チャレンジ」を設定し、社員の健康づくりに取り組くんでいます。

「健康チャレンジ」では、様々な健康づくりのコースの中から、社員それぞれが希望するコースにチャレンジします。チャレンジ達成者は社員大会等で表彰を行っています。


①禁煙コース


②体重・腹囲コース
体重マイナス5キロ。または、腹囲マイナス5センチにチャレンジ。
各営業所に体重計、メジャーを配り、毎朝、チェックを実施してい
ます。


③万歩計コース
1日の目標歩数は、3か月平均でフロント職が8,000歩、それ以外
の職種が1万歩としています。


④自転車通勤コース
車通勤する社員が多いので、一週間のうち、半分以上を自転車通
勤することにチャレンジ。

禁煙や万歩計は実施している企業をいくつか見かけましたが、体重・腹囲を計測したり自転車チャレンジする取り組みは中々ユニークに見えます。特に自転車通勤はチリも積もれば何とやらで毎日続ければ健康になりそうな感じがしますね。

健康経営優良法人の事例3 残業時間の削減を業績目標に設定

引用:『株式会社笠間製本印刷

石川県の株式会社笠間製本印刷は残業時間の削減を業績目標に設定しています。

年始に残業時間を含めて部署の業績目標を設定し、その目標と実際の結果を照らし合わせて部署の管理者の賞与に反映させ、定刻になると管理職のパソコンを強制的にシャットダウンするシステムも本格導入。管理職が早く帰宅をすることで部下の社員の残業も少なくなったとのことです。

ルーチンワークのRPA化や、従業員の多能工化につながる教育を推進することで、シフトが柔軟になり、残業の削減に結びつけました。

また外部の健康経営に関するようなセミナーには代表取締役か執行役員が参加し、そこでテキストなどを入手した場合は、社内で回覧できるようにしています。

代表取締役が管理する経費の中で、従業員の健康に対する投資額も管理しはスポーツジムとの法人契約を結び、従業員に利用を呼び掛けたり、役員全員でマラソンに参加し全員が完走したとのことです。

残業をここまで徹底的になくそうとする取り組みは中々珍しいのではないでしょうか。残業がなくなることで従業員はアフターフォローを楽しめ、会社にとっても残業代の負担が減ります。また、会社として残業を徹底的になくすと言ってくれれば中間管理職のストレスが大幅に軽減されるものと思われます。

まとめ

今回は中小企業の健康経営優良法人をまとめました。大企業は大企業でさすがと言うべきダイナミックな取り組みをしているところもあります。しかしダイナミックではなくても働く社員のためにプラスになることをコツコツとやっていくことが大切です。

昔ほどブラック企業が騒ぎになることはなくなったと思いますが、今後は健康な社員を増やすホワイト企業がもっと沢山出てくると良いですね。

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