こんにちは!グシオです。
皆さんはGoogleやYahooの検索エンジンで「中小企業診断士」と検索したときに「中小企業診断士 やめとけ」や「中小企業診断士 なくなる」というサジェストが表示されたことはありませんか?
僕が先ほど検索したときも当たり前のようにサジェストに「中小企業診断士 やめとけ」が表示されました。何かとネガティブなコメントを頂く事が多い(気がする)中小企業診断士という資格ですが、一体なぜ「やめとけ」や「なくなる」というサジェストが出るのでしょうか。今回はその理由を調査し、実際に中小企業診断士になった者の目線として解説してみたいと思います。
関連記事:『中小企業診断士の資格を取得してから3か月目の話』
目次
そもそも 中小企業診断士とは?
中小企業診断協会では、中小企業診断士を以下のように定義しています。
中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。
中小企業基本法では、中小企業者が経営資源を確保するための業務に従事する者(公的支援事業に限らず、民間で活躍する経営コンサルタント)として位置づけられています。
中小企業診断協会
中小企業診断士は、企業の成長戦略策定やその実行のためのアドバイスが主な業務ですが、中小企業と行政・金融機関等を繋ぐパイプ役、また、専門的知識を活用しての中小企業施策の適切な活用支援等幅広い活動が求められています。
1次試験の法務の過去問を解いたことがある方なら分かると思いますが、設問内でも留意点を指摘した後に「詳しいことを知りたい場合は専門家を紹介します」という流れになることが少なくありません。行政・金融機関だけではなく、弁護士等あらゆる専門家とのパイプ役も期待されているのではないかと思います。
「中小企業診断士 やめとけ」「中小企業診断士 なくなる」の検索トレンド
「中小企業診断士 やめとけ」「中小企業診断士 なくなる」の過去5年間の検索状況をGoogle Trendsで確認してみたところ以下のグラフが表示されました。
グラフの見方は、縦軸が検索ボリューム、横軸が時期、青色が「中小企業診断士 やめとけ」、赤色が「中小企業診断士 なくなる」のプロットです。
このように、これらの検索ワードは一過性のものではなく5年間一定の割合で検索されていることが分かります。
一体なぜこのようなキーワードで検索されるのでしょうか。
「中小企業診断士 やめとけ」の理由とは
中小企業診断士 やめとけ と検索すると、トップに以下の説明が表示されます。
独占業務がないため意味ない
メタディスクリプションを見ると以下のように説明されています。
中小企業診断士には独占業務が無いという欠点があり、 この点を指摘して「食えないからやめとけ」と意見する方が多いのです。 公認会計士や社労士などの他の多くの資格では独占業務が存在するため、中小企業診断士が見劣りしてしまう点は否めません。
なるほど。確かに独占業務はなく、そこがネガティブに見えてしまうこともあるかもしれません。
ちなみにですがトップに表示されたコンテンツの詳細を見ると、ネガティブな要素を書く一方で中小企業診断士の魅力もしっかりと記載されていました。そして中小企業診断士関連のアフィリエイトリンクもあるのでアフィリエイト記事であることが分かります。
今までの経験上、ネガティブ訴求は広告効果が高くなる場合が多いです。アフィリエイターがアフィリエイトの申し込みを増やすために、このような訴求の記事が増え、これらの記事がTwitter等で宣伝された際に詳細を知りたい人がGoogleなどで検索する流れが出来ているのではないかと思います。
中小企業診断士はすぐに取れる資格ではなく時間もお金も使うので、挑戦する前に有用な資格か確認したくなるのは当然の心理としてあります。そういう心理に対して、ネガティブ訴求から入ってしっかりとメリットも訴求して不安を解消させてやる気にさせる流れは、よく考えて設計されていると思いました。記事自体も悪意や語弊のある内容ではないですし、良いアフィリエイト記事だと思います。
独占業務がないことが「中小企業診断士 やめとけ」になりえる?
ここからは他者のコンテンツ関係なく、「独占業務がないから中小企業診断士はやめておいた方が良い」という考え方に対する僕の見解です。
まず独占業務がないのはその通りであり、そこを他の士業と比べたときのデメリットと感じる方が居るのも分からなくありません。ただ、独占業務がないから「中小企業診断士 やめとけ」になるとは少なくても僕は思いません。
僕は、中小企業診断士は業務を独占する者ではなく共創する者だと思っています。
中小企業診断士は独占業務がない代わりに自由度が高く、仕事の幅が広いように感じています。
ときには補助金や経営計画の企業支援をしたり、商店街でアンケート調査や分析をしたり、商工会でセミナーをやったり、ITの相談を受ける時もあれば、財務の相談を受けたり生産管理の相談を受ける場合もあります。商工会と一緒に地域活性化を考えるときもあります。
ある意味何でも屋さんです。何でも屋さんだからこそ色々なところに仕事が転がっていますし、他の中小企業診断士と差別化をしやすく、お互いの強みを活かして助け合える風土も出来上がっているのではないかと思います。
ちなみに僕は先輩診断士のお手伝いをしている段階であり、まだそこまで相談を受けている訳ではありません。上記は先輩たちが受けている仕事の一例です(笑)
そして人脈ネットワークが構築しやすいことも資格を取る大きなメリットです。
診断士には本当に色々な方がいらっしゃいます。僕のようにWebマーケティングに自分の強みを見出している中小企業診断士もいれば、生産管理が得意な方、営業が得意な方も居たり。もしくは医療業界が得意な方も居れば小売りが得意な方など業界別のスペシャリストが居たり。
セミナーが得意な方、官民連携で公共事業をやるのが得意な方、アカデミックな研究が得意な方など本当に色々な方がいらっしゃいますし、独立していない企業内診断士でも研究会の活動を通して、そういった輪に入ることが出来ます。
また、中小企業診断士業界は、先輩が後輩に仕事を紹介したり育てようとする文化があるようにも感じています。それは僕のこれまでの活動記録を見て頂ければ理解頂けるのではないかと思います。
もし独占業務があったら、ここまで自由度がありお互いに協力し合う文化って育っていたのかな? って思います。それを考えると独占業務がないことは逆に中小企業診断士にとって良いことなのかもしれません。少なくても僕は今の診断士界隈の雰囲気が結構好きですし資格を取ったからこそ拓けた道が間違いなくあります。たまたま、そう思わせてくれる人たちに出逢っただけという可能性もありますが…笑
「中小企業診断士 なくなる」の理由とは
「中小企業診断士 なくなる」で検索すると、「なくなるは嘘」「なくなるって本当?」っていう記事が出てきており、なくなると言う話を否定する記事ばかりでした。
こちらも「中小企業診断士 やめとけ」のケースと同じアフィリエイト設計ですね。
中小企業診断士はすぐに取れる資格ではなく時間もお金も使うので、挑戦する前に有用な資格か確認したくなるのは当然の心理としてります。その心理にフォーカスして、ネガティブ訴求から入ってしっかりとメリットも訴求して不安を解消させてやる気にさせる流れです。
同じような解説になってしまうので、細かい話は省略します!
まとめ
中小企業診断士は独占業務がない分、自由度が高く色々なところにチャンスが転がっています。また、「中小企業を支援して日本を元気にしたい」という目的を達成するために、それぞれ全く違う個性を活かして協力しあう風土が育っているように感じています。
ある意味、独占業務のある士業は士業内で仕事を奪い合う状況になってしまうのではないでしょうか。そういう意味では、自由度がありお互いに助け合う風土のある中小企業診断士の方が結果として稼ぎやすくなる側面もあるのではないかと僕は思います。