中小企業診断士の試験、マーケティング、動画制作、地域の魅力について記録を残しています

100名城スタンプラリーや百名山に見る地域活性化の糸口

日本100名城・百名山にみる地域活性化の糸口

こんにちは!グシオです。

僕は旅行や歴史、登山が好きで、両方の要件を満たせる日本100名城スタンプラリー&続日本100名城スタンプラリー&日本百名山バッジ収集をやっています。100名城はスタンプ台帳を購入し、全国各地の選定されたお城へ行き現地でスタンプを押して回るものであり、百名山は登頂して下山後に山小屋や周辺地域に売っている山バッジを買い集めています。2022年9月現在時点で100名城は97城、続100名城は 92城、百名山は67座まで来ており城に関してはラストスパートに差し掛かっています。

本題に入る前に100名城、百名山の概要について簡単に紹介します。

日本100名城・続100名城とは

日本100名城とは、2006年に日本城郭協会が文部科学省・文化庁の後援を得て企画したものです。100名城は以下の基準により城郭協会の会報やホームページで、100名城の推薦を呼び掛けられました。

  1. 優れた文化財・史跡
  2. 時代・地域の代表
  3. 著名な歴史の舞台 
  4. 各都道府県から1城以上5城以内

多数の応募があり、このデータをもとに選定会議が開催され、史料的に問題のある模擬天守や、史跡としての環境保存状況、さらには城郭発達史からみた重要な名城について熱心な討論の末、100城が選定されました。また、2017年には続日本100名城も選定されました。

参考:『100名城スタンプラリー公式サイト

日本百名山とは

日本百名山とは、日本の小説家であり登山家でもある深田久弥(1903-1971年)氏の山岳随筆、「日本百名山」(1964年初版)に載っている100座の山のことです。

日本百名山の選定基準は以下とのことです。

  1. 山の品格:誰が見ても立派な山だと感嘆する
  2. 山の歴史:昔から人間と深い関わりを持つ
  3. 個性のある山:形体、現象、伝統など、その山独自のものがある 
  4. 深田氏が登ったことがあり、おおよそ標高1500m以上のもの

深田氏も著書の中で、あくまでも主観的な選定であり異論もあるであろう、と述べていますが今もなお日本百名山は日本を代表する山々として知られています。百名山はその他にも「花の百名山」や「新日本百名山」などもあります。

100名城、百名山だからこそ訪れたという事実

ぼちぼち終わりが見えてきたところで、これまでの旅をふと振り返りながら思うことは100名城目当てでなければ訪れていなかったであろう地域が沢山あったなーということです。ちなみに百名山はほとんどすべてが当て嵌まります(笑)

100名城に選ばれるお城は県庁所在地などお城を中心に栄えた地域にある場合が多いです。結果、アクセスが良く観光地として栄えているので純粋な旅行として楽しめます。大阪城や名古屋城は良い例でしょう。

しかし、なかには栄枯盛衰(失礼)で、今となっては周りになにもない地域にお城がある場合もあります。特に続100名城はこの傾向が強いです。山の奥地にある城などは城に行くためだけに車を何時間も走らせ、お城を堪能したら帰ることも複数回ありました。

城好きとはいえガチ勢ではないので、100名城になっていなければ、そういった城を知ることもなければ行くことも絶対になかったと思います。

逆に、当初は城以外に見どころがない地域だと思っていても、いざ行ってみるとステキな魅力がたくさんある地域だと分かることも多くありました。こちらはポジティブな話なので具体的に名前を出しますが、津和野、島原、平戸、宇和島あたりが特に印象に残っています。

津和野の様子
津和野の街並み

いずれも昔からの歴史や固有の文化を感じさせる地域で、周辺を散歩しているだけでも楽しかったです。

こういった自分自身の経験を踏まえて思うのは、日本100名城や日本百名山の選定が地域活性化・地方創生に寄与しているということです。それぞれどれくらいの経済効果があるのか調査したデータは見つかりませんでしたが2022年9月時点で日本100名城をコンプリートした人は4,000人以上います。この人たちが全国各地を回り、一人あたり平均100万円くらい旅費や滞在費、観光施設利用費などに消費していたとしたら少なくても40億円以上は経済効果があることになります。

実際には僕のようにコンプリート間近な人からライトな層、これからガンガン廻っていこうという層など様々に居ると思うので、そういった人たちの経済効果も含めると40億円よりも桁違いレベルで大きいものであると思います。

百名山でも僕は必ず下山後に温泉に寄り、ご当地グルメを食べます。同じように下山後の温泉とグルメを楽しみにしている人は多く居ると思います。こういったことから登山家が地域に落とすお金も無視できないものであると思われます。

以上を踏まえ、地域活性化・地方創生を考えるうえで百〇〇は有用なものであると言えます。ただし、単に百〇〇を設定すれば良いというものではなく達成状況を目に見える形にするためにコレクション要素も持たせること、小さな地域の枠組みでやるのではなく全国規模で実施すること、扱う題材を好きな人が一定数いることが大事ですね。たとえば、日本100ダムや滝百選、棚田100選なるものもありますがニッチすぎて盛り上がりに欠けている印象があります。

うまく題材を見つけて、盛り上がる企画を作り上げることが地域活性化・地方創生に繋がるでしょう。

関連記事:『“ゆるキャラ”で地域活性化を促進するマーケティング手法とは