中小企業診断士の試験、マーケティング、動画制作、地域の魅力について記録を残しています

海外に見るWeb3.0やメタバースを活用した地域活性化事例5選

海外に見るWeb3.0やメタバースを活用した地域活性化事例5選

最近日本ではWeb3.0やNFTアート、メタバースなどのキーワードをよく見かけるようになりましたが海外でもこれらの話題がよく取り上げられています。この記事では、Web3.0やメタバースを活用した海外の地域活性化事例を紹介します。

関連記事:『Web3.0を活用した地域活性化の取り組み事例

事例1. ワンダーバース・インドネシア (インドネシア)

ワンダーバース・インドネシア
引用:『ワンダーバース・インドネシア

2022年8月にインドネシア観光創造経済省はメタバース空間「ワンダーバース・インドネシア」を発表しました。観光プロモーションなどを目的としており、インドネシアの美しさと独自性を世界に向けて発信し、観光やその他の産業の企業にデジタルプロモーションの強化を呼びかけることが狙いとのこと。

ワンダーバース・インドネシアは4つの「ランド」と呼ばれるエリアに分かれており、内部では固有種の動物との触れ合いやインドネシア人アーティストのデジタルギャラリーなどを用意しているほか、伝統的なゲームやパフォーマンスなどもあります。

また、航空券やホテルなどを含めて商品やサービスを直接購入できる機能も備えています。ランドは今後追加も視野に入れているとのことです。

インドネシア政府が主導でメタバースを推し進めるあたり本気度が伺えますね。またメタバースでインドネシアの興味関心を高めて、そのまま航空券などを購入できる導線設計を見て分かる通り、しつかりと実益に結び付けようという意図も感じ取れます。

もし本事例が成功を収めたら後に続く国も続々と増えてくるのではないでしょうか。今後も要注目の事例です。

事例2. メタバースソウルシティ (韓国)

引用:『SEOUL METROPOLITAN GOVERNMENT

ソウル市は、2021年10月に、5年間の「メタバースソウル推進マスタープラン」を発表しました。2022年中に「メタバースソウル(仮称)」を設立し、経済、文化、観光、教育などのサービスを提供していきたいとしています。

光化門広場、徳寿宮、南大門市場といったソウルの主要な観光名所を「バーチャル旅行者ゾーン」として紹介し、敦義門などの失われた歴史的資源をバーチャル空間で再現します

2023年には、ソウル市民はメタバース内に存在する「アバター公務員」に相談することも可能になるようです。これまでは、ソウル市庁の公務員センターに出向かなければなりませんでしたが、バーチャル空間でよりリアルに近い感覚で相談できるようになります。

メタバースの多くが地域活性化のための観光プロモーションであることが多いです。一方、メタバースソウルシティは観光プロモーションだけではなく、市民に対しては公務員に相談できるようにするところが斬新であると言えます。市民もリアルの役所に移動する手間が省けるので快適な街づくりに繋がりそうですね。

事例3. satoshi island (バヌアツ共和国)

引用:『satoshi island

Satoshi Islandは、世界初となる現実世界の島の土地をNFT化して販売を行うバヌアツ共和国公認のNFTプロジェクトです。

Satoshi Islandはオーストラリアとフィジーの間に位置するバヌアツにある3200万平方フィートの島です。Satoshi Islandには以下3つの特徴があります。

  • 仮想通貨コミュニティを支援
  • 世界的デザイナーが作るモジュール建築
  • 再生可能エネルギーが主体の経済

仮想通貨コミュニティを支援

バヌアツ共和国は世界のCryptoの中心地となることを目指しており暗号通貨に関して優しい法律を制定しており、企業や個人の利益・配当・収入に税金を課しておらず、キャピタルゲイン税や源泉徴収税もありません。そのため仮想通貨の売買がしやすい場所と言えます。

世界的デザイナーが作るモジュール建築

Satoshi Islandで生活するためのモジュールは、香港を拠点に活動する世界的建築家ジェームズ・ロー氏が設計しています。Satoshi Islandで使用するモジュールは通信技術を利用できるスマートビルディングを採用しています。モジュールは外部で製作後、組み立て前の状態で出荷されるので、現地で組み合わせることで数百とおりのパターンの住居やオフィスを設置できます。

再生可能エネルギーが主体の経済

atoshi Islandは持続可能性を重要視しており、必要なエネルギーは自家発電するなど環境に配慮した再生エネルギー主体の経済です。ソーラーパネルや廃棄物処理システムは独自に開発しており、周囲の環境への影響が少ないように設計されています。また、開発や生活で発生した二酸化炭素を自ら相殺するために、島内の樹木を保護する活動をおこなっております。

NFTを買えば、そのままリアルの土地も手に入るというのはダイナミックな施策ですね。また、住民として生活する場合も良い環境がありそうです。バヌアツ共和国はあまり馴染みのない方も多いかと思いますが新しい産業を起こそうという気概と英断を感じる取組です。

事例4. ホイアンメタバース (ベトナム)

引用:『VietNamNet Global

2022年3月、クアンナム省のホイアン市文化スポーツセンターはシンガポールのビズバースとの提携により、ホイアン市の観光の魅力の紹介に向けた観光デジタルトランスフォーメーション(DX)プロジェクト「ホイアンメタバース」を展開することを発表しました。

同プロジェクトにより、ホイアン市の遺跡や観光名所、伝統工芸村などが3D画像でデジタル化され、ビズバース・ワールドの3D地図に登場し、人工知能(AI)テクノロジーの活用により現地ガイドの音声が流れます。

ホイアン市は1999年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に認定されて以来、ベトナムを代表する観光地の一つとなっており、同市を訪れる観光客数はここ数年間で着実に増加していますが、さらなる発展のためにサービスの質の向上や観光客の多様なニーズへの対応に向けて旅行会社や観光地と連携するとのことです。

シンガポールは「NFT」の検索数が世界で中国に次いで2番目に多いWeb3.0大国です。そのシンガポールの企業と提携することでメタバースを進めていくとのことで今後の開発が期待されます。

事例5. マイアミコイン (アメリカ)

引用:『City Coins

マイアミコインとは、地域支援プロジェクト「シティコイン」によって発行されている仮想通貨のことでマイアミ市民はマイニングをおこなうことで報酬としてマイアミコインを受け取ることができます。

このような地域活性化のための地域通貨を発行するプロジェクトは日本でもいくつか見られます。今後地域通貨やDAOが色々なところで、色々な形で当たり前のように出てくるものと思われます

まとめ

海外でもWeb3.0、メタバースでユニークな地域活性化施策を実施しています。日本でも色々と学ぶことがあるのではないでしょうか。今後もこの分野はホットトレンドだと思いますので引き続き注視していきたいと思います。