数年前までこれからはテレワーク・リモート出社が当たり前になると騒がれリモート会議用のツールやワーケーション企画が活性化しました。これは日本に限らず世界的な流れとしてあり、アメリカでも大企業がテレワークを推進していました。しかし現在テレワークが当たり前になっているかと言われるとそうでもありません。徐々に出社が増えてきており、僕も満員電車に押しつぶされながら出社しています。
そんな状況になると社員としてはテレワークが恋しくなりますが、出社して貰いたい経営者が多く居るのが現状でしょう。では何故経営者は出社してもらいたいのか、テレワークしたい社員は何にコミットすれば許されるのか?
この記事で考えていきたいと思います。
テレワークは通勤しなくてラクだとか回りの目を気にせず仕事できるとか社員にとってポジティブなことが多いと思いますが、経営者から見たテレワークのメリットは何があるのでしょうか。調べてみたところ以下のようなデータがありました。
引用:『ヒューマンリソシア「「テレワークができるなら何かしらと引き換えにしてもよい」が8割超」』
調査結果では、63.0%が仕事のモチベーションが「上がった」と回答し、今の仕事が「好き」と回答した人はテレワーク実施者の59.6%で、未実施者より6.4ポイント高い結果となりました。
テレワークがもたらすポジティブな影響が明らかとなり、従業員のエンゲージメントを高めていると推測できます。さらに、テレワークがもたらすメリットを図る指標として、仕事選びにおける他の条件と比べてもらった結果、テレワークができるなら雇用形態にはこだわらないという人が多く、多少給与が下がっても良い、多少勤務時間が長くなっても良いなど、何かしらと引き換えにしても良いと回答する人が8割以上となるなど、テレワークの価値の大きさがわかる結果となりました。
逆にテレワークに否定的な調査結果をまとめました。
引用:『Bloomberg「完全リモートワーク、生産性でオフィス勤務に18%劣る-米大学の研究」』
マサチューセッツ工科大学(MIT)とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究によると、無作為に完全在宅勤務を割り当てられた労働者の生産性は、オフィス勤務の労働者より18%低いことが明らかになりました。インドで新規採用されたデータ入力職員を在宅勤務とオフィス勤務のいずれかに無作為に割り振ったところ、生産性低下の3分の2は勤務初日から明らかになったとのことです。残りの差は時間の経過とともに現れ、オフィスで働く労働者の方が完全リモートの労働者よりも早く仕事を覚えました。在宅勤務を希望するリモートワーカーは、オフィス勤務を希望する職員よりも生産性が低い結果となりました。
テレワークによって社員がどれだけ気持ちよく働けても、会社の生産性が落ちて業績悪化して潰れてしまったり給料を払う余裕もなくなってしまうようなら元も子もありません。結局のところテレワーク反対派の経営陣にテレワークを認めてもらうためには、出社するヒト以上の結果を持続的に出すことでその地位を勝ち取るしかないのではないでしょうか。