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2021年(令和3年)中小企業診断士試験に完全独学で合格するまで【1次試験概要】

中小企業診断士試験に完全独学で合格するまで-1次試験概要

 こんにちは。グシオです。

 僕は2021年(令和3年)中小企業診断士試験を初受験してストレート合格しました。元々理工学部の機械工学科を卒業した自分にとって受験科目は馴染みのないものばかり。ほとんど知識ゼロから誰とも関わらずに独学で受験しました。TACなど有名予備校が実施する模擬試験も受けた方が良いのかなと思いつつ結局受けませんでした。そんなこともあって試験勉強中は楽しさ30%、苦行70%な感じで時には自分の出来の悪さに苛立つこともありました。

 そんな僕でも何とか合格出来たので、これだけやれば知識ゼロ&完全独学&誰とも交流せずに合格できるという1つの目安としてどんなことをしてきたのか体験談を紹介します。

2次試験のお話『2021年(令和3年)中小企業診断士試験に完全独学で合格するまで【2次試験の概要】

そもそも中小企業診断士って何?

中小企業診断士ホームページ
中小企業診断士ホームページ

 中小企業診断士とは、経済産業省管轄で中小企業支援法に基づく国家資格であり中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。国家公認の経営コンサルタント資格と言うことも出来ます。一年に一回試験があり、試験勉強も経営に関する知識を広く浅く学習することになります。

 受験費用は1次試験13,000円、2次試験で17,200円で合計30,200円です。

僕はあまり受験費用をちゃんと見ていなかったので1次試験合格後に2次試験の申込書とその金額を見てビックリしました。2段階でお金を取られるなんて思いもしなかったです…!

 余談ですが、受験合格後に資格登録申請するために全員が15日の実務をする必要があります。コンサル会社等に勤務されている方は業務をしていれば良いのですが、そうでない場合は『実務補習』と呼ばれる研修を受ける必要があります(僕も受けました。実務補習についてはまた別途記事でご紹介します)

 実務補習は税込163,600円します。しかも金曜や月曜にも研修があるので僕の場合は有給休暇を6日ほど取らなければなりませんでした。つまり、受験から資格登録するまで193,800円の費用+試験勉強のテキスト代約100,000円でトータル約300,000円の費用が発生&有給休暇を取る労力が発生します。さらに診断士協会に入る場合は東京都の場合、入会費3万円+年会費5万円も発生します。

 資格登録後も5年ごとに更新があり、経営診断などの実務をする機会がない企業内診断士はまたお金を払って実務補習を受けなければなりません。こんなにお金も労力も発生するのに独占業務もないのですから何ともまぁ燃費の悪い資格です。国に騙されているんじゃないかと本気で思いました(笑)

 それでも受験したくなる謎の魅力があるのが中小企業診断士という資格。現在15日間の実務補習を終えて、登録待ちです。恐らく4月末~5月半ばくらいに登録が完了すると思われます。登録後は企業内診断士として副業で活動する予定です。果たして副業でこれまで発生した費用の元が取れるのか、今後記事で紹介したいと思っていますので是非定期的に御覧ください

参考:『J-SMECA 中小企業診断士「中小企業診断協会ってなに?」

受験科目

購入した参考書一覧
購入した参考書一覧

試験は1次試験7科目(マークシート)、2次試験4科目(記述)、2次試験(口述)の3段階で合計4日間かけて行われます。

1次試験の科目は以下です。

1日目

  1. 経済学・経済政策
  2. 財務・会計
  3. 企業経営理論
  4. 運営管理

2日目

  1. 経営法務
  2. 経営情報システム
  3. 中小企業経営・政策

 すべてマークシートで1科目も40点未満がないこと&平均60点なら1次試験合格となります。過去問を複数年やると分かるのですが経営法務、経営情報システムは年度ごとに難易度に大きくバラつきがありカンタンすぎてビックリする年もあれば難しすぎて腰が抜ける年もあるので結構運の要素もあります

 逆に経済学・経済政策、企業経営理論、運営管理は比較的難易度&出題される問題の内容が安定している印象で過去問を理解できるようになれば何とかなります。そこに辿り着くまで僕はかなりの労力が必要でしたが…。ちなみに財務・会計は最後まで苦手意識が強く敬遠しがちだったのですが、ここで頑張らないと2次試験でかなり苦労することになるので重点的に勉強した方が良いかもしれません。

2次試験(記述)の科目は以下です

  1. 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 I(経営)
  2. 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 II(マーケティング)
  3. 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 III(生産管理)
  4. 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例 IV(財務)

 初受験する方は1次試験終わるまでは1次試験の勉強だけで精一杯かと思います。僕もそうでした。2次試験は公式で模範解答がなく正直勉強しても何が何だか分からないことも多くあります。なので、勉強時間も確かに大事ではあるのですが記述のコツを掴めるかどうかが一番大事な気がするので2次試験の勉強は1次試験終わった翌日からでも何とかなります。ただ、要領を得ないとどんなに時間を掛けても合格できないかもしれないと思いました

 記述試験に合格すると2次試験(口述)を受けることになります。口述試験は99%の人が受かるので時間通りに受験会場にいけばほぼ合格です。それが分かっていたにも関わらず、いざ自分が口述試験を受けるとなると本当に不安でした。例年合格率99%でも今年は違うかもとか思ったり、全く回答できなかったらどうしよう等の心配がありました。終わってみれば取り越し苦労だったので本当に良かったです。口述試験についてもまた別の記事で詳しく紹介する予定です。

1次試験の勉強方法と所感

 1次試験はTACのスピード問題集が大正義です。僕は1科目につき少なくても5回転以上したと思います。問題集は1科目につき3日で終わらせる勉強をひたすら繰り返していました。(運営管理のみ問題数が多く、時間のかかる計算問題もいくつかあるので4日掛けていました)

 何度も繰り返すことによって初回では浅かった理解が少しずつ深まっていきます。全ての問題の内容を理解して解ける状態にしました。

 ただし『中小企業経営・政策』のみTACの問題集では不足感が否めなかったのでTBCの問題集で学習していました。これはすべてを暗記するのはかなり大変なので、おおよその内容が分かれば良いと思います。色々とテキストを買い漁りましたが振り返ってみると1次試験で使う問題集はTACのスピード問題集(中小企業経営・政策以外)とTBCの中小企業経営・政策の問題集だけで十分かもしれません。

 テキストも買いそろえてそれぞれ3往復は見返したと思いますが、運が良い年ならテキストは買わずにスピード問題集だけでも何とかなるかもしれません。

 後はひたすら過去問です。『経済学・経済政策』『経営法務』『財務会計』に関してはかなり苦手な科目だったので、これらの科目だけは『過去問完全マスター』を購入して集中的に勉強していました。

 僕が受験した令和3年は1次試験の結果は以下でした。

申込者数受験者数①受験者数②
 (A)
試験合格者数
 (B)
試験合格率
(B)/(A)
24,495人18,662人16,057人5,839人36.4%
中小企業診断士ホームページより抜粋

ちなみに2次試験の合格率は18.3%で、合格率は6.7%で昨年より若干難化したようでした。

僕の1次試験の結果は以下でした。

科目点数
経済学・経済政策60
財務・会計76
企業経営理論73
運営管理70
経営法務48
経営情報システム52
中小企業経営・政策66
平均64

 こうして見ると本当にギリギリだったなぁ…。特に経営法務は結構時間を掛けたのに最後まで得点が低いままでした。っていうか足切りしそうでした(笑)

 各科目の具体的なお話はまた別の記事で紹介する予定です!