中小企業診断士の試験、マーケティング、動画制作、地域の魅力について記録を残しています

【2次試験に出るかも?】「衰退産業でも稼げます」に見る診断士が持つべき視点

衰退産業でも稼げますの読書感想

こんにちはグシオです!

最近は前回の記事で触れたお師匠さま的な先生に紹介して頂いた本を仕事の合間に読み漁ってビジネスの事例研究をする日々を過ごしています。いくつか本を読み進めていて、「あれ、これ中小企業診断士試験の2次試験に出そうだな」と思うような事例が多く載っていて2次試験勉強に役立つかもと思った本があったので紹介したいと思います。

参考:前回の記事

今回取り上げるのは「衰退産業でも稼げます」という本です。著者は「藻谷ゆかり」さんという方で、東大を出たあとハーバードでMBAを取得し、現在はインド紅茶の輸入・ネット販売する会社を経営しています。この本では、全16社の事業がピンチに陥ってから発想を転換し、成功するまでのストーリーが紹介されています。※下の画像からAmazonの該当ページに飛べます。

中小企業診断士試験勉強に役立ちそうな理由

なぜ診断士試験に出そう&試験勉強に役立ちそうと思ったかと言うと、令和3年の2次試験 事例2で出題された豆腐屋さんと近しい境遇の豆腐屋さんが紹介されていたからです。出題された問題の内容的にも、この本を事前に知っていたら一部の回答をスラスラと書けたと思います。

「豆腐に旅をさせるな」「移動販売」「豆腐を使ったスイーツ」などのキーワードも出てきます。試験問題を解いた方ならピンと来るのではないでしょうか。僕もこの年に受験して合格したので本を読み進めていてテンションが上がりました(笑)

ほかにも試験でピックアップされやすい旅館や商店を題材にした事例もあり、「これまでどういう事に困っていて(課題)、それをどう解決したか(提言)」がストーリー形式で記載されているので試験勉強にもなるし、最近診断業務から離れている方にとっても診断士思考を思い出すうえで役立つ内容だと思います。

ただ、2次試験対策は過去問をひたすら解くことが一番効率的な勉強法だと僕は思っています。なので、試験対策になる本だとは思いますが過去問を解いている間の息抜きに読むとか、過去問丸暗記してやることがなくなった後に読むくらいの感じが良いのではないかと思います。

僕もそうでしたが今まで1次試験対策でいっぱいいっぱいで2次試験対策はほとんどしていなくて追い込みをかけている方が大半だと思いますので時間は有意義に使いましょう!

事例から見る成功の秘訣

全16事例に共通して言えることは今までのやり方が通用しなくなったときに、変革を起こす人物が現れることです。その人物は必ずしもその業界のことに詳しくなく、むしろ素人であることがほんとでした。

それにも関わらず赤字経営からV字回復へと導くのです。なぜそれが出来るのでしょうか?

それはビギナーズマインドを発揮したからです。

衰退産業は言い換えると、ほとんどが伝統産業か何代も続いている事業です。こういうケースでは、経営者が過去うまくいった手法が最適解だと思って、それ以外の方法はないという固定観念が生まれてしまいがちです。しかし現実は、特に近年は顕著ですが、時代の流れと共に外的要因・生活環境が大きく変化します。その変化によって今までの最適解がどんどん最適解ではなくなっていきます。

そうなったときに「何故こんなやり方をしているんだろう? こうすればもっとうまく行くんじゃないかな」というビギナーズ・マインドが大事になります。これはその産業・事業に詳しくない方が逆に気付きやすい視点ですね。

事例に出てくる経営者たちは事業承継を機にビギナーズマインドを持って課題を抽出し、改善策を見つけていきます。そして破壊的イノベーションによって事業再生へと進んでいきました

当然先代との確執が起こる時もあります。それでも会社を潰さないために断固たる決意で彼ら・彼女らは先代と粘り強く交渉して、納得してもらって、自分たちのやり方を推し進めていきました。アイディアだけではなく情熱と覚悟もあってこその成功です。

中小企業診断士として大事にしたいこと

中小企業診断士は何でも出来るけど何にも特化していない魔法戦士・赤魔導士的な資格だと思います。もちろん人によってはこれまでのバックグラウンドを活かして何か専門性を作っているかと思いますが、その専門性を活かせない仕事を受ける機会も多々あります。

特に、その業界・事業について経営者より診断士の方が詳しいケースはほとんどないと思います。そのなかで診断士はどうやって貢献するのかを考えたときに、1つはビギナーズ・マインド視点による提言が大事になってくるのではないかと本を読んでいて思いました。

(そんな診断士はあまり居ないと思いますが) 変に知ったかぶったり偉そうにするのではなく、その業界・事業の仕組みについては「詳しくないことを強み」としてアイディアを創出し、事業の固定観念や慣習にとらわれずリッチに情報を模索して提言するわけですね。そのうえで補助金申請の書き方や経営の基本的な考え方などのお作法的なことは診断士としての知識や経験を発揮する。

自分のような新人診断士は特に経験や知識が不足している分、フレッシュな発想力を武器にしてがんばる必要があるかもなーと思ったところで本を読み終えました。

みなさんも良かったら読んでみてはいかがでしょうか!

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