一時期のブームを過ぎたとは言え、ゆるキャラはまだまだ地域活性化・地方創生における重要なプロモーション役を担っており活躍が期待されています。以前実施されていた ゆるキャラグランプリでは組織票等があり正当な評価をしにくい状況もあり、それから あまり ゆるキャラを聞かなくなってしまいましたが現在はどのような状況なのでしょうか。今回は北海道・東北・関東で僕が選んだ主要ご当地ゆるキャラをご紹介したいと思います。
関連記事:『Web3.0 × ゆるキャラ で地域活性化が地方自治体の次の施策トレンドになりえる3つの理由』
関連記事:『北海道・東北・関東編』
関連記事:『北陸・甲信越・東海編』
関連記事:『近畿・四国・中国編』
関連記事:『九州・沖縄編』
目次
調査方法について
なるべく最新情報を調査するために「都道府県名 ゆるキャラ 2021 経済効果(または 人気)」でGoogle検索し、最も近年目立っているように見えた ゆるキャラを紹介しています。
北海道 ずーしーほっきー (北斗市)
北海道各市の公式ゆるキャラ数は2021年度で34キャラで、10年前の1.5倍になりました。町村や非公式を含めればさらに多く、まえの記事で紹介した炎上系ゆるキャラ「まんべくん」も北海道の ゆるキャラの1人です。
参考:『ゆるキャラの炎上マーケティング、その後どうなった?』
そんな環境で近年存在感を増しているのが北斗市の「ずーしーほっきー」
北斗市の“いいところ”をPRしてゆく宣伝隊長として、2013年の地元の公立はこだて未来大学と協働でデザインが行われ、ずーしーほっきーが誕生しました。2014年の ゆるキャラグランプリにも参加しています。
ずーしーほっきーは津軽海峡でとれるホッキ貝と、ブランド米ふっくりんこの握りずしがモチーフです。何を考えているか分からない顔つきが「キモかわいい」と話題になりました。
ずーしーほっきーをメインにした北斗市のPR動画も公開されています。
なかなかシュールで面白く、楽しみながら北斗市の魅力が分かるのでぜひお時間ある方は見てみてください!
その他、北海道のゆるキャラには札幌市の「ジンくん」、夕張市の「メロン熊」、別海町の「別海りょウシくん」などが居ます。
青森県 たか丸くん (弘前市)
たか丸くんは、2011年に築城(開始)400年を迎える弘前城の記念イベント「弘前城築城400年祭」のイメージキャラクターでしたが、のちに弘前市の公式マスコットになりました。誕生の成り立ちや戦国武将の兜を被っているあたりは彦根士の 彦にゃん に通じるものがありますね。
現存天守12城の1城である弘前城は別名鷹岡城と呼ばれていることから、たか丸くんは鷹をモチーフにしているようです。
たか丸くんの公式ホームページの日記は2019年8月で更新が止まっていますがTwitterはまだ稼働しており、フォロワーも1.8万人いる人気ゆるキャラです。
弘前城には過去4回訪れたことがあります。桜の季節に行くとかなり映えるスポットなので皆さんも機会があれば行ってみてください!
岩手県 たかたのゆめちゃん (陸前高田市)
たかたのゆめちゃんは岩手県陸前高田市のゆるキャラです。頭の形は陸前高田市の市章をモチーフにしており、耳は震災で消失してしまった高田松原の松をイメージしています。
皆さんは覚えているでしょうか?
東日本大震災のときにほとんどが津波で流されるなか、ただ一本奇跡的に残った一本松が当時ニュースで話題になりました。それがこの陸前高田市であり、ここは松が有名な地域なのです。
たかたのゆめちゃんは、2020年に行われた ゆるキャラグランプリFINAL でグランプリに輝きました。ゆるキャラグランプリの最後に東北勢ではじめての受賞を得たのでした。
秋田県 はちくん(大館市)
はちくんは大館市のゆるキャラです。秋田犬がモチーフになっています。
秋田県のゆるキャラは他の県に比べると情報量が少なくてちょっと選抜するのが大変でした…!
はちくんをはじめ、他の秋田県のゆるキャラたちもホームページやSNSでプロモーションすればもっと人気でそうな気もするのでちょっと勿体ない感じがしますね。
特に僕が訪れた地域でいうと、なまはげの男鹿、武家屋敷の角館、花火の大曲、鉱山の鹿角など魅力的なスポットが秋田には沢山あるので、ゆるキャラを通してもっと注目されたら良いなと思います。
宮城県 さくらっきー (大河原町)
さくらっきーは大河原町のゆるキャラです。頭には町花の桜、顔は町鳥の白鳥、体は町木の梅をモチーフにしています。
さくらっきーにはテーマソングがあるようです。NHKとかに流れそうな子供が喜びそうな曲なので上のYouTubeからお時間あるときに聞いてみてください!
大河原町は仙台からもそこそこ近く、政機関や商業・工業が集約されているので町ながら宮城県では主要都市として位置づけられているとのこです。また、桜がモチーフになっているだけあって桜が綺麗なスポットがいくつもあるようなので僕もいつか行ってみたいと思いました。
山形県 チェリン (寒河江市)
チェリンは寒河江市のゆるキャラです。山形と言えば さくらんぼが有名ですが寒河江市は日本一さくらんぼの里と謡っていることから、チェリンの頭のうえにはさくらんぼがあります。
チェリンはTwitterでもよくPRしており市内ではチェリンをモチーフにしたイルミネーションなどもあったりしてフォロワーが1万人いる人気のゆるキャラです。
寒河江市は人口4万人ほどの市ですが山形県のほぼ中央に位置しており日本百名山の月山からも近いです。お隣の天童や山形市内には行ったことあったのですが寒河江にはまだ行ったことないので、さくらんぼのイベントがあるタイミングでいつか行ってみたいなと思います。
福島県 うけどん (浪江町)
うけどんは浪江町のゆるキャラです。初めて見たとき、ゆるキャラのなかの ゆるキャラって印象でした。雰囲気からしてかなり ゆるいです(笑)
うけどんはお米の妖精でお餅の体にイクラの髪の女の子。頭の上のシャケの帽子は生きているとのことです。
ちなみに、浪江町と言えば鉄腕DASHのDASH村があるところです。
鉄腕DASHを見ていた方ならご存じかと思いますが。浪江町は2011年の東日本大震災や福島第一原子力発電所の事故の影響で町に住む全員が避難しました。鉄腕DASHでもその影響で無人島へ移行しました。2017年には一部避難指示が解除されて、現在は町に人が住み、農作物も育てています。
栃木県 さのまる (佐野市)
さのまるは栃木県佐野市のゆるキャラで2021年ゆるキャラグランプリ王者でもあります。佐野らーめんのお椀の笠をかぶり、腰にはいもフライの剣を差した佐野の城下町に住むお侍です。
さのまるが、ゆるキャラグランプリ2013で優勝した平成25年11月から平成26年10月までの1年間で、佐野市にもたらした経済波及効果は226億円であったと言われています。
佐野市は栃木県南西部に位置する市で、足利などから近い立地にあります。佐野市は近年は佐野ラーメンとアウトレットモールで有名になりました。また、日本続100名城である唐沢山城もあります。僕も本城に行ったことがありますが、唐澤山神社の雰囲気はとても良くオススメのスポットです。
茨城県 ホロル (城里町)
ホロルは茨城県城里町のマスコットで、2011年に町特産品のPRを目的に城里町ブランド創出協議会が作成しました。
町のシンボル大樹『スダジイ』に住むという伝説のフクロウがモデルになっています。
城里町は、茨城県西北部の県央地域にある町で古くから米や野菜、お茶などの栽培が盛んで、町の特産品になっています。また、町にはホロルの湯という立派な温泉施設もあるようで僕も気になっています!
群馬県 ぐんまちゃん
ぐんまちゃんは、群馬県のマスコットです。ぐんまちゃんは、くまもん、ふなっしー、彦にゃんクラスの人気ゆるキャラで2021年の経済効果は713億円にのぼったと試算されています。
ゆるキャラグランプリで受賞した経験もあり、群馬県はぐんまちゃんのコンテンツ化に注力しています。その本気度と言ったら現在はアニメ化を進めるほど。その結果が数字となって表れたようです。
埼玉県 ふっかちゃん (深谷市)
ふっかちゃんは埼玉県深谷市のマスコットです。地元名産「深谷ねぎ」の角と市の花「チューリップ」のボタンが特徴的です。
2013年のゆるキャラグランプリでは、ランキング4位、2014年はランキング2位で準グランプリ、2015年はランキング3位でしたが同時に行われたゆるキャラforチルドレンで、初代グランプリに輝いた人気ゆるキャラです。
Twitterも頻繁に更新しておりフォロワーは10万人以上います。
深谷市と言えばまっさきに思い浮かぶのがネギですね。「深谷ねぎ」に代表されるように野菜をはじめとする農畜産物の生産が盛んで、「関東の台所」としての役割を果たしています。ユリやチューリップの切花生産は全国トップクラスの生産量です。
東京都 キャベッツさん (西東京市)
キャベッツさんは西東京市のマスコットで、西東京市名産のキャベツと猫が融合した妖精キャラです。
YouTubeチャンネルにチカラを入れています。顔がゆるくて良いですね!
西東京市にはいくつも遺跡があり、旧石器時代から人が住んでいたことが分かっている地域です。多摩六都科学館は大型プラネタリウムがあり、「最も先進的なプラネタリウム」として世界記録に認定されたこともあります。
千葉県 ふなっしー (船橋市)
もはや説明不要、関東の覇者である船橋市の ふなっしーです。2014年ふなっしーの経済効果は8,000億円であったと言われています。
また、船橋市の梨農家が経営する50以上の直営所と駅周辺の30以上の飲食店が一緒になってPRイベントを行って、船橋市だけで1億円以上の経済効果を得たという事例もあります。
気が付けば2022年に生誕10周年を迎え、ますます元気よく活動しているようです。
船橋市は、千葉県の北西部に位置し中核市に指定されています。政令指定都市ではない市では日本最大の人口を有しています。ユニークなアスレチックやメルヘンな施設がある「ふなばしアンデルセン公園」が有名でもあります。
神奈川県 えびーにゃ (海老名市)
えびーにゃは神奈川県海老名市のマスコットです。海老名という地名から海老の帽子をかぶり、市の名産品であるイチゴ柄の服を着ています。
2014年の ゆるキャラグランプリでは16位になり、女の子キャラとしては全国1位だったという記録もあります。
ちなみに僕にとって海老名市はなじみ深い土地でもあるので、神奈川県のゆるキャラは えびーにゃを紹介しようと決めていました (笑)
海老名は、日本の高速道路のサービスエリアでは有数の規模を持つ海老名サービスエリアがあることで知られています。