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移住したい人向けにユニークな支援をしている地域3選

こんにちは!グシオです。

地域活性化・地方創生を考えるにあたって、移住者の取り込みは重要な施策の1つです。近年、新型コロナ感染症の影響によりこれまで東京一極集中化していた現象が少しずつ緩和されています。僕の周りでもリモートワーク中心の生活になったために東京に住んでいた人が埼玉や神奈川に引っ越すという事例が多く発生しています。

この流れに乗って移住を考えている人もいらっしゃるかと思いますこの記事では、特に移住希望者の関心度が高い地域や移住者を取り組むためにユニークな支援をしている地域を紹介します。

移住希望者の関心度が高い市区町村ランキング

 移住・関係人口を促進するプラットフォームサービス「SMOUT」を運営するカヤックが、登録ユーザーの興味・関心を集めている人気移住地域をランキング化した「SMOUT移住アワード2021」を発表しました。

ベスト3にランクインした地域はどこだと思いますか?

失礼かもしれませんが僕としては結構意外なところでした。

都道府県ランキングと市町村ランキングの2種類があります。

都道府県ランキングTOP3

  1. 長野県
  2. 兵庫県
  3. 山口県

市町村ランキングTOP3

  1. 萩市(山口県)
  2. 伊那市(長野県)
  3. 豊岡市(兵庫県)

参考:『SMOUT移住アワード2021

萩市、伊那市、豊岡市いずれにも訪れたことがあります

全体的に大都市へのアクセスは悪いのですが共通してのどかな環境だったと記憶しています。あとはいずれも百名城、続百名城が近くにあり歴史を感じられるスポットや伝統を有していることも共通点でしょうか。

萩市 -吉田松陰で有名な地-

Googlemap 萩市

引用:Google Map

萩(はぎ)は山口県の北部に位置する日本海に面した市です。

三本の矢で有名な毛利元就の孫である毛利輝元から代々毛利家が治めていた地域です。幕末になると吉田松陰や桂小五郎、高杉晋作、井上馨、伊藤博文など多くの歴史的人物が誕生した地域でもあります。

萩は結構アクセスが悪く行きたくても行きにくい場所かもしれません。

ただ、幕末や昔の街並みが好きな人にとってはとても良い場所なので一度は行くことをオススメしたいです。

余談ですが萩市を楽しみながら周辺の観光地にも遊びに行こうと思った場合、レンタカー前提になりますが秋吉台や元乃隅稲成神社・千畳敷をオススメします。

萩城址

萩城は日本百名城であり、毛利輝元が築城しました。指月城とも呼ばれています。明治初期までは天守閣があり、当時の写真も残っていますが明治7年の廃令城により取り壊され、現在は公園となっています。天守閣こそ残っていないものの、石垣や堀は見事なもので散歩をしているだけでも楽しかったです。

萩市内

町並みは古き良き昔ながらの雰囲気です。着物を着て歩いたら映えそうでした。町の各所に偉人の銅像や家があり、歴史を学んでから行くと感慨深いものがあります。

松陰神社

松陰神社は萩市の中で最も有名な観光スポットの1つです。歴史に名を残した人たちが集まっていた松下村塾も残っていました。思っていたよりも部屋が狭く、よくここに皆入れたなーと思いました(笑)

団子

松陰神社で売っている団子。美味しかったです!

総括して、萩市は大都市に行くのは大変で賑やかな場所が好きな人には住みにくいかもしれませんが、逆に歴史的な街並みや静かな雰囲気が好きな方にはとても良い場所だと思いました。

伊那市 -高遠城から見下ろす景色-

伊那市

引用:Google Map

高遠城

伊那市にも萩と同じく日本百名城の高遠城址があります。兜山城とも呼ばれています。また、日本のさくら名所100選にも選ばれているようで春は満開の桜が見れます。

高遠城

天守閣などは残っていませんが敷地は広いので良い散歩コースになると思いました。

また、伊那は南アルプスが近く日本百名山の甲斐駒ケ岳などにも行きやすいので登山好きな方には良い立地だと思います。

訪れたときに感じたことは、電車の移動はやや不便かもしれません。車があれば2時間半で名古屋まで出ることが出来ますが気軽に行くにはちょっと辛い距離であり萩と同じく大都市には行きにくい立地です。

また、畑が沢山あったので農家の跡継ぎとして移住者の需要があるかもしれません。海には出にくいですが前述の通り良い山が多いので登山が好きな人にはオススメの場所です。

豊岡市 -出石そばを沢山食べる-

豊岡

引用:Google Map

豊岡市には豊岡駅周辺、城崎温泉、出石周辺を散歩したことがあります。萩や伊那に比べると広範囲にわたって多様な観光名所が多いことが特徴です。またコウノトリで有名な場所もあります。

出石

続日本100名城の出石城があります。入り口前には神社もあり、稲荷が迎えてくれます。出石周辺は観光地も多く古き良き街並みも残っており歩いているだけでも楽しめます。

出石

ご当地スイーツの出石そばドーナツはとてもおいしかったです。もし行かれたら是非食べてみてください!

城崎温泉
城崎温泉

城崎温泉も温泉街としてとても良い雰囲気であり温泉だけではなく街中の雰囲気も楽しめました。また、豊岡駅周辺も商業施設があり買い物には困らなさそうに思いました。大都市に出るのが大変なのは萩や伊那と変わりませんが、一番買い物などで困らないのは豊橋だと思います。

また豊岡は鞄の生産地としても有名です。

温泉などが好きで鞄づくりの職人に興味がある移住希望者にオススメの場所です。

地域発信情報のトレンド

移住アワード2021によれば2021年の地域発信情報のトレンドとして以下の3点が挙げられるとのことでした。

  • 島、海沿い、温泉地、山間地プロジェクトが目立つ。長引くコロナ禍で自然豊かな場所で働く/暮らす、ワーケーションするニーズが一層高まったといえる。
  • 移住を前提とせず地域で複数の生業をもつ「マルチワーカー」や「半農半X」の募集が約10倍に増加
  • 移住する前に地域の暮らしを体験できる「移住ツアー」や「お試し住宅」の滞在募集が人気

新型コロナウィルス感染症の影響によりリモートワークが一気に普及しました。また、近年はパソコンさえあればどこに居ても仕事が出来るようなデジタル系の仕事も増えてきているため、必ずしも人口の多い都市に住まなくても仕事を確保しやすい環境になりつつあると言えます。この流れは、移住先での仕事口があまりなくても、その地域の仕事をこなしつつフリーランスとしてWeb上で仕事をするなどのマルチワークの募集が約10倍に増えていることからも伺えます。

また、総務省の「特定地域づくり事業協同組合制度」がこの流れを後押ししていることも見逃せないでしょう。

特定地域づくり事業協同組合制度とは

人口急減地域において、中小企業等協同組合法に基づく事業協同組合が、特定地域づくり事業を行う場合について、都道府県知事が一定の要件を満たすものとして認定したときは、労働者派遣事業(無期雇用職員に限る。)を許可ではなく、届出で実施することを可能とするとともに、組合運営費について財政支援を受けることができるようにするというものです。

 本制度を活用することで、安定的な雇用環境と一定の給与水準を確保した職場を作り出し、地域内外の若者等を呼び込むことができるようになるとともに、地域事業者の事業の維持・拡大を推進することができます。

移住希望者を取り込むためのユニークな支援

移住したら家が貰える!?島根県飯南町

参考:『島根県飯南町ホームページ

島根県の飯南町では「定住促進賃貸住宅」の取り組みをしています。この取り組みは、飯南町に移住し、家賃4万円の賃貸に20年間住んだ後に、所有権が譲渡されるというものです。

移住するまえに安価で田舎暮らしを体験できたり、子育て支援も非常に手厚い町です。子供を自然のなかで伸び伸びと育てたい子育て世代には良いのではないでしょうか。

お米大好きな人必見!岐阜県飛騨市

参考:『飛騨市ホームページ

個人世帯、家族世帯を問わず、飛騨市外から飛騨市に転入し、3年以内に生活の本拠とする住宅を新築または購入した方にお米を10年間支給してくれる制度(1年ごとに1俵60kg,10年間で600kg)があります。これだけあれば食には困らなさそうです!

この支援には、以下のような想いが込められているとのことです。

 飛騨市の自慢とも言える人々の温かい気質を全国に広くPRし、飛騨市に対する関心・興味を高めるとともに、飛騨市のことが好きな人や、飛騨市を訪れてみたいと思う人を増加させるため、移住世帯を対象に移住後10年間、1年あたり米1俵を贈呈します。

 この事業は、一般的な祝い金や助成金制度などお得感を売りにするものとは異なり、この地域の風土や人々の気質など伝えにくい部分を何とか伝え、その上で飛騨市ファンが増えて移住にいたる人が増えたらという想いから作られた制度です。

まさかのドラフト会議!? 九州全域

参考:『九州移住ドラフト

最後に地域全体をあげたユニークな取り組みを紹介します。その名も「九州移住ドラフト」

ホームページの紹介文を引用して紹介します。

九州移住ドラフトとは

移住者を受け入れたい地域を「球団」、九州への移住志望者を「選手」と見立て、プロ野球のドラフト会議さながらに、球団が選手を指名するマッチングイベント。

複数球団の指名が被った場合、くじ引きをおこないます。当たった球団は選手と、その先の関わり方を交渉できる独占交渉権を獲得します。

2016年に鹿児島で始まり宮崎、熊本に拡大。昨年から九州全域を対象エリアとして実施しています。過去5回で180名を指名し、実際に約30組が移住したほか、二拠点生活、地域PRや課題解決の協働など、参加者が多様な形で地域に関わり続けている点も特徴です。

「移住」や「新しい地域・人との出会い」といった人生の大きな決断をコントのようなノリで乗り越える。九州移住ドラフト会議はそんなエンタメ性が、地域の未来をつくると考えています。

6ヶ月間にわたって地域との交流を深めます。
移住希望者と移住して欲しい地域がジェスチャーゲームやディベートなど様々なレクリエーションを通して互いを知り合います。移住希望者は指名されたいち地域へアピールしたり、居住する地域がどんな場所なのかを知る機会になります。また、地域側にとっては移住希望者のなかで誰を選考するかを考える機会となります。

期間終了後は地域が移住希望者を野球のドラフトのように指名する形で移住マッチングが行われます。余談ですが、地域に指名されても必ずしも移住しなくても良いとのことです。

まとめ

いまはマルチワークやインターネットを利用した仕事により、田舎に住んでいることが不利になりにくい世のなかになっていることも移住希望者にとってお移住者を取り込みたい地域にとっても良い状況だと思います。

今回紹介した地域以外にもさまざまな魅力的な地域があり、それぞれ移住者を取り込むためにユニークな支援策をしています。やはり地域によって得手・不得手があり、人によって合う合わないもあるかと思います。しかし、だからこそ自分に合う地域を見つけられたら今後の人生がより一層豊かになるのではないでしょうか。

今後も面白い地域を見かけたら定期的に紹介していきたいと思います!

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