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「Web3とDAO」に学ぶWeb3.0を活用した新規事業ネタ7選【NFT、仮想通貨、DeFiなど】

「Web3とDAO」に学ぶ Web3を活用した事業ネタ7選

こんにちは!グシオです。

今年はWeb3.0とSDGsを個人的な強化ポイントとして重点的に知識を学んでいます。中小企業診断士としての経営支援、会社に勤務する社員としての新規事業構想のどちらにも使えるネタなので新しい知識を仕入れるたびに「自分だったらこうしよう」というイメージがわいて楽しいです。「Webマーケティングが得意な中小企業診断士」からもう少し違う方向へシフトできるように頑張ります。

さて、Web3.0に関する書籍をいくつか読みましたが今のところ「Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」」という本が一番分かりやすかったです。著者は亀井聡彦さん、鈴木雄大さん、赤澤直樹さんです。

「Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」」ではWeb3の7つのバズワードが説明されていました。この記事では、7つのバズワードを「新規事業で使えるかもしれないアイディアのネタ」という視点でより深掘りして紹介したいと思います。

ぐしお
ぐしお

Web3(ウェブスリー)とWeb3.0(ウェブサンテンゼロ)は同義語です。このブログでは表記をWeb3.0で統一していますが、書籍名は「Web3」のため一部表記ズレが発生しています。ご了承ください。

関連記事:『Web3.0を活用した地域活性化の取り組み事例

NFT

OpenSea
参考:『OpenSeaホームページ

NFT(Non-Fungible Token)とは「代替不可能なトークン」という意味をもち、デジタルデータに複製・偽造の不可能な証明書を付与できるものです。

NFTデジタルアートのオークションで落札価格75億円の作品が出て世間を湧かせたことも記憶に新しいです。

現在世界最大級のNFTデジタルアートのマーケットプレイスとして「OpenSea」がありますが、日本でも楽天やGMOをはじめとしてマーケットプレイスが複数立ち上がっています。

参考:『OpenSea

これまでは投機としての売買が目立っていましたが、NFTアートを保有していることで得られる特権(アートを持っている人だけが参加できるコミュニティ)目当てでの売買も多くあります。

BAYC
参考:『BAYCホームページ

著名なNFTアートとしては「Bored Ape Yacht Club」が挙げられます。合計10,000体が販売され、2022年9月現在約90ETH(約14,000,000円)と非常に高額で取引されているNFTです。

Bored Ape Yacht ClubのNFTアートを保有している人しか入れないコミュニティがあります。ジャスティン・ビーバーやパリス・ヒルトンなどの著名人もBored Ape Yacht Clubを保有しているので、もしかしたら彼ら・彼女らと交流する機会を得ることもできるかもしれません…?

このように、NFTアートで新規事業を始めて成功するためには、作品そのものだけではなく、共感できる・応援したくなる・参加したくなるような世界観を創り、アートを購入した同志が集うコミュニティを用意することも重要になると考えられます。

メタバース

NFTと同じく連日ニュースになっていたので聞いた事がある方も多いかと思います。現在メタバースの定義は色々あり曖昧になりがちな部分もあります。

大きく分けるとVR業界のメタバースとブロックチェーン業界のメタバースがあります。Web3.0のメタバースは後者になります。

VR業界のメタバースは仮想空間の実現を目指すものであり、「ソードアートオンライン」のような五感すべてを使ったフルダイブ型の開発も進んでいます。

ブロックチェーン業界のメタバースは、ユーザー体験のベースにウォレットがあり、ウォレットを通してあらゆるデータのやり取りを行います。これによって従来では一企業・一ゲームのデータにしか過ぎなかったアイテムが、自分自身が保有するアイテムとなり様々なプラットフォームで使えるようになります。

様々なプラットフォームで使えるということで自然とアイテムの価値も高まり、アバターに着せる服などのウェアラブルNFTが今後流行し、クリエイターの活躍の場も増えると考えられます。

代表的ブロックチェーンメタバースとしては「The Sandbox」が挙げられます。マインクラフトのようなボクセル型のプラットフォームです。

メタバース
参考:『The Sandbox ホームページ

The Sandboxの土地が先ほど紹介したOpenSeaでも売買されているので興味がある方はご覧頂ければと思います。

またWeb3メタバースのプラットフォーム開発エンジンも進化し、様々な企業・団体がメタバースを出し、これによってエンジニアやクリエイター、プランナーの需要も大きく伸びそうです。競合が乱立して差別化が難しくなる前に先行者利益を得るよう動くのも一つの手かもしれませんね

関連記事:『メタバースを活用した地方自治体の地域活性化取り組みのメリットと事例紹介

DeFi

DeFi(ディーファイ)は、Decentralized Financeを略したもので「分散型金融」と訳されます。銀行や証券会社のような役割を果たします。市場規模は約1000億ドル(約11兆円)で、1年で約5倍に急増したともいわれています。

これまでのように銀行や政府などの集権的な管理者が存在せず、仮想通貨のブロックチェーン上で、いつでも、だれでも、安くサービスの提供を受けれることか特徴です。

たとえば株の取引は9時から15時しかできず土日は市場も開いていない、銀行口座もシステムメンテナンスでお金の引き出しが出来なくなるなど不便を感じることもありますがDeFiであれば24時間365日、どこの国に居ても利用可能になります。

最大級の取引所として「UNISWAP」が挙げられます。

uniswap
参考:『UNISWAPホームページ

DeFiで新規事業を考えるうえでの特徴としては、「誰でも新たなDeFiサービスを開発できる」ことです。DeFiのサービスは主にオープンなコミュニティーで開発されているので、他のサービスのプログラムをコピーしたりまねしたりして新サービスを生み出すことが可能です。このため人気サービスに類似したサービスを立ち上げて、短期的に収益確保を狙うプロジェクトが増えている現状もあるようです。

事例として有名なのが「SushiSwap」です。UNISWAPはオープンソースコードであり、このコードを丸々コピーして産み出された「SushiSwap」が1日の流動性が250億円を超えるほど大きな取引所になりました。

Web3.0の基本思想として、一企業・一団体が富を独占するのではなく、有志の集まるコミュニティで共創していくというものがあるのでソースコード等も認知及びコピーされやすい状況は今後も続くと思われます。

sushiswap
参考:『SushiSwapホームページ

また、新規事業としてではなく個人で利用する場合の投資方法についても簡単に触れます。

近年、つみたてNISAで老後の貯蓄を増やす動きがありますがDeFiでも投資して貯蓄を増やす手法があります。必ず増える保証はないので、もし実施する場合は自己責任でお願いします。

イールドファーミング

イールドファーミングとは、DeFiで仮想通貨を預けて流動性を提供することで利益を得ることです。金融機関にお金を預けて利息を得る感覚です。

流動性マイニング

流動性マイニングは、自分が保有している仮想通貨を分散型取引所に提供することで流動性を提供し、報酬としてトークンなどを得ることです。

流動性とは交換のしやすさのことで、この場合は仮想通貨の交換のしやすさを意味します。プールされている仮想通貨の額が大きければ大きいほど、流動性が増し多くの人が取引所を利用しやすくなります。

ステーキング

ステーキングとは取引所が指定した仮想通貨を一定期間保有することで、報酬がもらえる仕組みのことです。仮想通貨を保有することは、ブロックチェーンの生成に貢献することにもつながるので対価として報酬を得られる仕組みです。

指定された仮想通貨を保有しているだけで金利が発生するのでリスクが低い投資ですが、ステーキング中の仮想通貨は利用できないため、もし期間中に通貨が高騰しても売ることが出来ないことが留意点です。

GameFi

GameFiは、ゲームをプレイすることで暗号資産を得られるNFTゲーム全般を意味します。これまでの一般的なゲームは、娯楽としての要素がメインでした。しかし、ブロックチェーン技術とゲームの組み合わせが可能となったことで、遊ぶことでブロックチェーン生成に貢献する対価としての報酬を得ることができるようになりました。

先ほど紹介したThe Sandboxのようにゲーム内の土地やアイテムを仮想通貨で売買することで転売で稼ぐことなども可能です。

GamiFiの代表例としては「Axie Infinity」が挙げられます。ベトナムの会社が立ち上げた育成型対戦ゲームで、東南アジアを中心にヒットしました。一カ月の売上が約250億円を超えたこともあるそうです。

Axie infinity
参考:『Axie Infinityホームページ

eスポーツが世界的に流行していることもありゲームは根強い人気があります。プレイヤーにとって従来のゲームでのマネタイズは大会やゲーム配信などが主でしたが、今後はプレイするだけでお金が稼げるゲームに流れていくかもしれませんね。

ソーシャルトークン

ソーシャルトークンは個人やコミュニティが持つトークンであり、コミュニティの参加権として用いられるものです。先ほど紹介したBored Ape Yacht Clubでアートを持っている人限定のコミュニティがあるというお話もこのソーシャルトークンに当てはまります。

2021年に沖縄県発のプロ卓球チーム「琉球アスティーダ」がソーシャルトークンを発行して資金を獲得しました。

ソーシャルトークンの一例(琉球アスティーダ)
参考:『琉球アスティーダホームページ

クラブトークンを購入するとクラブの投票企画への参加や、参加型イベントへの招待、特典抽選などへ応募する権利があるとのことです。

ソーシャルトークンは地方自治体で地域活性化・地方創生目的で活用される事例も少しずつ増えています

詳しくは以下関連記事をご参照ください。

DeSci

DeSci (Decentalized Science) は2022年になってから注目されはじめた分野で”分散型科学”と訳します。

科学研究には多額の費用がかかります。研究者にとって研究資金の調達は、研究そのものと同じくらい重要な任務です。そして、この資金調達に研究者が割いている時間と労力があまりにも大きいというのが課題となっています。

また、資金調達するために短期間で結果が出やすく、評価されやすいテーマに人気が集まってしまうという側面や、「Nature」に代表される論文出版社などの仲介者が権力を強く持ち、研究結果を公表するにも多額の資金が発生するなどの問題もあります。

この問題を解決するために誕生したのが DeSci という考え方です。

トークンを発行して投資家から資金を募り,有望なテーマを提示した研究者に資金を提供します。特許内容や研究ノートなどはデジタル化した後、NFT化して企業などに販売して資金を得ます。得られた利益は貢献度に応じて投資家やメンバー,研究者に配分します。こうした運営や管理はすべてブロックチェーン上で実行され,プログラムされた通りに運営される形式です。

DeSciのプラットフォームとして「VitaDAO」が挙げられます。VitaDAOでは長寿研究に焦点を当てて運営をしているようです。

vitadao-DeSci
参考:『VitaDAO ホームページ

研究者が今まで資金調達に割いていた労力をすべて研究に使うことが出来たら、より科学の発展が期待できそうです。元々僕も理系畑出身なのでDeSciには非常に興味があります。

ReFi

ReFi (Regenerative Finance)は”再生金融”と訳します。ブロックチェーン技術を用いて、長期的に世界規模の環境問題や社会問題を解決しようという試みのことです。

天然資源などの自然資本の保存と回復に関する利益を内部化するような通貨システム、つまり経済成長が生態系の再生につながるような通貨システムとしてReFiが考案されました。

代表的な例としてカーボンオフセットに取り組む「Nori」というプラットフォームが挙げられます。Noriは、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)で大気中の二酸化炭素除去に取り組む農家と、カーボンオフセットを希望する企業や個人とを、ブロックチェーンの技術を利用してつなげるマーケットプレイスです。

参考:『Nori ホームページ

このような取り組みはSDGsとも相性がよく、投資も受けやすい事業とも言えそうです。

ReFiを、とても詳しく説明している記事を見かけましたので共有します。

参考:『Fraction Ventures「ReFiとは?パート1 ー気候変動に関するクリプトの未知の世界を巡る旅」

まとめ

Web3.0により新たな事業のチャンスが沢山発生してくると思います。そのチャンスをつかむためになるべく早く「Web3.0では何が出来るのか」を知ることが大切です。より詳細の情報が知りたい方は「Web3とDAO 誰もが主役になれる「新しい経済」」を購入して読んでみてはいかがでしょうか。

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