こんにちは!グシオです。
最近は連日Web3.0とメタバースのニュースで盛り上がっていますね。たしかにWeb3.0の設計思想とブロックチェーン技術は現在の閉塞感を打開しうるものであり、何かが起きるのではないかと期待したくなる気持ちも分かります。
以前の記事でも紹介しましたが、個人的にはReFiやDeSci、GameFiの今後の動きに注目しています。
参考:『「Web3とDAO」に学ぶWeb3.0を活用した新規事業ネタ7選【NFT、仮想通貨、DeFiなど】』
Web3.0やメタバースを活用して何かをしたいと思うのは地方自治体も例外ではないでしょう。前回の記事ではWeb3.0を題材に取り上げたので、この記事ではメタバースに注目して、地方自治体が地域活性化に取り組むメリットと実際の事例を紹介します。
関連記事:『Web3.0を活用した地域活性化の取り組み事例』
連記事:『海外に見るWeb3.0やメタバースを活用した地域活性化事例5選』
目次
メタバースとは?
メタバースの定義は人それぞれで現状は曖昧になりがちです。書籍「Web3とDAO」によれば、メタバースは大きく2つに分けられるとしています。これまでVR業界が培ってきたメタバースとブロックチェーン業界のメタバースです。
VR業界のメタバースは、仮想空間の実現を目指すものであり人間の五感をハックするための技術革新が進んでいます。ソードアートオンラインのようにいずれフルダイブ型のMMO RPGもいつか登場するであろうと思わせる勢いです。ARやMRなどのXRが派生技術としてあります。
ブロックチェーン業界のメタバースは、ユーザー体験のベースにウォレットがあり、ウォレットを通してあらゆるデータのやり取りを行います。これによって従来では一企業・一ゲームのデータにしか過ぎなかったアイテムが、自分自身が保有するアイテムとなり様々なプラットフォームで使えるようになります。
様々なプラットフォームで使えるということで自然とアイテムの価値も高まり、アバターに着せる服などのウェアラブルNFTが今後流行し、クリエイターの活躍の場も増えると考えられます。
代表的ブロックチェーンメタバースとしては「The Sandbox」や「Decentraland」が挙げられます。
メタバースを地域活性化に活用するメリット
地方自治体が地域活性化や地方創生にメタバースを活用するメリットはいくつかあります。
新型コロナ感染症により、オンラインコミュニケーションの機会が増えました。すぐに交流できて便利ではあるのですがSNSやオンラインミーティングでは実際に会うときよりも親近感がわきにくい側面もあります。
その課題を解決するのがメタバースの長所である没入感です。アバターを通じて他者とバーチャル空間でコミュニケーションを取ることにより相手の存在をより身近に感じることができます。
また、国内外で移動に規制がかかる事態でもメタバースがあれば他地域や外国の人と気軽につながることができるようになるため、地域の魅力を継続的に発信し、交流することが出来ます。
総務省によれば、関係人口の定義は以下になります。
「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉です。
地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面していますが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されています。
総務省公式ホームページ
関係人口を増やすことは地域活性化のひとつの重要施策です。メタバースであれば、その地域から遠方に住んでいる人に対してもアプローチが可能であり、メタバース内の地域づくりの取り組みに参加してもらい交流人口を関係人口に遷移させるなど地域活性化の糸口にすることができます。
地域に関係のあるNFTアートを販売して、財源を確保する地方自治体も少しずつ出始めています。代表的な例としては、新潟県長岡市山古志は錦鯉をシンボルにしたNFTアート「Colored Carp」があります。
「Colored Carp」のNFTを購入した人はデジタル住民票を得ることができ、専用のコミュニティチャット内(Discordを使用)で意見を発信することができます。NFTの販売収益の使い方をコミュニティメンバーが意見を出し合ったり投票するなどして新たな地域づくりをすることを目的としています。
専用のコミュニティをメタバースで構築したり、メタバース内でNFTアートを販売する等のやり方も今後出てくるのではないかと思います。
メタバースを地域活性化に活用する留意点
メタバースを取り入れるメリットがありますが、当然取り入れる際に気を付けるべきこともあります。
メタバースに必要なものは共感性です。人が集まり盛り上がるためには地方自治体の熱い想いやストーリーを伝えつつ、快適なユーザーエクスペリエンスを提供する必要があります。そのためにはマーケティングの知識が必要不可欠です。自分たちの伝えたいこと、ユーザーが求めること、サービスの現実的な仕様の調和を取りしっかりとしたコンセプトを設計することで成功につながる可能性がぐんと高まります。
逆にコンセプトがあいまいなまま、またはメンバー内で同じストーリーを共有できないまま進めると行き当たりバッタリになり結局何がしたかったのか分からずプロジェクトが終わってしまうことも少なくありません。
コンセプトやストーリー設計は時間をかけてでもしっかりと作り込み、いざアクションするときは迅速にPDCAを回す。そんなメリハリも必要です。
金銭的にも人的資源的にもメタバースは大きな負担が発生します。特に今のように技術が普及しはじめたばかりの段階では、WordPressのように安く気軽に作れるテンプレートパッケージのようなものも充実していないので手さぐりになりがちな側面もあります。
そのため専門家の意見が聞ける環境を確保しつつ、予算を計上するときは希望的観測だけではなくイレギュラーが発生したときのことも考慮して作成することが必要です。
メタバースに限らず動画やWeb サイト等もそうですが集客の施策もしっかりと考える必要があります。一生懸命作っていざオープンしても、なかなか認知されず人が集まらないことも往々にしてあります。
プレスリリースを出したりSNSやWeb広告を組み合わせるなど予算と目標に応じてプロモーション戦略を立てましょう。集客については私もお力になれることがあると思いますのでお気軽にご相談ください!
メタバースを活用した地方自治体の取り組み事例
兵庫県養父市が吉本興業株式会社と組んで開発した「バーチャルやぶ」は、かつて日本一のスズ鉱山として栄えた明延鉱山の坑道跡を見学したり、吉本興業所属のタレントとコラボした採掘ゲームを楽しんだりすることができるほか、この鉱山で運行されていた「一円電車」に乗り、観光名所を巡ることができます。
養父市の場合、2022年度のメタバース予算を3,000万円計上したとのことで、やはりメタバース開発・運営には大きな負担が発生することも伺えます。
参考:『兵庫県養父市「バーチャルやぶについて」』
「バーチャル大阪」は大阪府、大阪市が提供、KDDI、吉本興業、博報堂からなる「KDDI共同企業体」が受託、制作を行っています。
2025年開催の大阪・関西万博に先がけ、大阪の都市の魅力を国内外に発信すると共に、“City of Emergence”(創発する都市)をテーマに、さまざまな人が集まり、一人ひとりの新たな体験や表現を通じ、大阪の新たな文化の創出・コミュニティの形成にも寄与することを目的としています。
参考:『バーチャル大阪公式ホームページ』
熊本県天草市が、paralreal(パラレアル)株式会社及び株式会社コーホー部と「天草メタバース計画」をスタートすることをプレスリリースしました。パラレアルが運営する「パララボ天草」が誘致(開設)され、産業や雇用の創出を狙います。
メタバース化した天草の観光地を、アバターがガイドする「VR観光ツアー」をしたり、物理的に離れている地域間をメタバースで繋ぐことによって、新しい観光、新しい物販、新しい仕事の創造をします。
今後どのように発展していくか注目してたいところです。
まとめ
今後もデジタル領域での施策は地方自治体にとって今後ますます重要になってくると思います。
Webを活用した販売促進、認知拡大などでお困りの地方自治体様や中小企業様がいらっしゃいましたら是非お気軽にご相談ください!お困りごとの解決にむけて全力でサポートしてまいります!